……恥ずかしそうに頬を赤らめながら、
神奈はおもむろに衣の肩をはだけた。
素足で草地を踏み鳴らしながら、
おぼつかない足取りでこちらに歩み寄ってくる。
泉のふちに爪の先をかけた瞬間、すそを踏んだ拍子で前のめりに倒れた。
しりもちをついた神奈は、うつむきながら呟く。
「そんなに見つめるでない。恥ずかしいではないか」
しかし俺は、神奈の嘆願を聞き流すように、
木漏れ日に映えるその裸体を見つめた。
羞恥心からか、それとも肌を撫でる冷気からか、
まるみを帯びた肩は小さく震えている。
あらわになった胸部の膨らみが、呼吸に合わせて上下している。
育ちきっていないのか、お世辞にも豊満とは言えない。
桜色の突起は、豊かに流れる艶やかな髪に隠され、
その形を確認することはかなわない。
「どういうつもりだ」
「分かっておろう。はようせい」
視線を重ねながら絞り出された声は、心持ち、かすかにうわずっていた。
林立する大樹のすき間を縫うように吹き抜ける風が、
波を立てながら泉の水面を滑ってゆく。
白い乳房にゆっくりと手を伸ばすと、
まるまっていた神奈の背中がぴんと伸びた。
重みを受け止めるように、手の平に膨らみを乗せる。
かよわい悲鳴をあげた神奈は、逃げるようにあとずさる。
「そんなに怯えてたら何も出来ないぞ」
挑発するように言い放つと、神奈は声を荒げながら抗議する。
「分かっておる。なにぶん初めてであるからな、驚いただけだ。続けよ」
たたずまいを直すと、神奈は尻を草にこすりながら前進し、
黒い瞳に俺の姿を映す。
生い茂る緑の傘が、降り注ぐ陽射しを透かして明るく映える。
枝を渡る小鳥の歌声が、静寂を満たす森に響き渡る。
一陣の生暖かい風は、二人の吐息を乗せながら空へ還ってゆく。
沈黙に耐え切れなくなった様子の神奈が、視線を横にそらした。
「余は、本当に嬉しかったのだ。
自らの危険を顧みず、命がけで守ってくれた。本当に感謝している」
「礼を言われるほどのことじゃない。俺は誓いを果たしただけのことさ」
「……柳也どのは、誓いがあったから余を助けてくれたのか?」
どこか思いつめた声色の神奈は、不安の波に揺れる瞳で俺を見つめる。
しかしそれは、いつになく真摯な想いにあふれ、きらめく光沢を放っていた。
「そんなことはないさ」
「ならば、ならば……」
思考がまとまらないのか、想いを込めるべき言葉はたどたどしい。
神奈は深く息を吐くと、手の平に力を込めて草を握りつぶした。
眼差しは力強く、決意に満ちあふれている。
「余を、もらってはくれぬか?」
それは、予想と寸分たがわぬ告白だった。
緊張がほぐれたのか、神奈の肩から力が抜けてゆく。
そして、赤裸々に視線を伏せる。
「……余のようなわがままな女子は嫌いか?」
いちおう、自覚はしていたようで、そのおかしさに笑いがこぼれてしまう。
「笑うでない! 余は真剣なのだ」
頬に真紅の炎をともらせ、高らかに訴える。
「だから、その、しかるべき態度でのぞんで欲しいのだ……」
目を細め、神奈は視野に暗い幕をおろした。
両手を太ももの間にはさみ、あごを天に向ける。
神奈は、帰るべき巣を失い、
北風にさらされながらさまよう子猫のように震えている。
無理をして俺を求めているのは明らかだった。
色情に関する知識が著しく欠如しているはずの神奈が誘っているとあれば、
見えない糸がどこからか引かれているはず。
「……裏葉だな」
「なぜ分かった?」
閉じていた目を見開いて驚く。
「どうせ、ろくでもないことを吹き込まれたんだろう」
「……うむ。裏葉が申しておったのだ。
殿方の心を射止めるには、衣をはだけて上目遣いで見つめる。
そして、ゆっくりと目を閉じ、殿方の思うままに任せればよい、と」
女狐の考えそうなことだ。
いやらしく歪んだ裏葉の顔が脳裏に描き出される。
「駄目なのか? 余では」
弱々しく、ためらいがちな声色。
いじらしく、いとおしい。
「お子さま相手に欲情するほど、俺の貞操観念は未熟じゃないんでね」
「あなどるでない! 余をなんと心得るか」
「乳房が未発達の鼻たれ娘」
「むぅ……」
言い返せないのが悔しいのか、唇を噛む。
胸に手の平を添え、みのったつりがねに視線を落とす。
つぶらな瞳に涙を浮かべ、今にも泣き出しそうだ。
どうしたものか。
自分の心に素直になるべきだろうか。
少なくとも、神奈は勇気を振り絞り、
募らせてきたであろう想いの全てを、彼女なりに言葉にしている。
答えは出ていた。
神奈は言った。
『余を守って欲しい。これは、主としての命ではなく願いなのだ』
二人を繋いでいた主従の鎖。
神奈の願いを聞き入れた瞬間、
それは、俺の一太刀で簡単に断ち切れるはずだった。
しかし、うなずいてはみたものの、
この長い逃避行の残像がちらつき、刃を振り下ろせないでいた。
そして今、目の前には、恥を忍び、あられもない姿で俺の答えを待つ少女。
受け止めなければならない。
一人の少女として、全てをさらけ出した神奈の想いを。
「すまないな。柳也どのの気持ちも考えず、
勝手なことを言ってしまったようだ。どうか気にしないで欲しい」
そう言って申し訳なさそうに立ち上がった神奈が、小さな悲鳴を漏らした。
「柳也どの……」
気がつけば、彼女は腕の中にいた。
抱き寄せる。
ふくよかな膨らみが、厚い胸板に押し当てられた。
髪を撫でる。
豊潤な香りが、嗅覚をくすぐった。
頭を胸に抱く。
息遣いが、汗に濡れる衣を揺らした。
神奈のうるんだ瞳に、彼女を見つめる自分の姿が映っていた。
湖面を泳ぐ月影のように、それは緩やかに波を打ち、不規則に歪む。
どこか戸惑っているようで、それでいて真剣な神奈の眼差し。
愛くるしい。
全てを俺のものにしたい。
唇を重ねる。
神奈の震えが、肩を通して伝わってくる。
濡れた唇は柔らかく、柑橘の甘味が舌に広がってゆく。
意識は不可思議な色に塗りつぶされ、思考を奪われる。
腰に腕をまわし、もぎたての果肉のような唇をむさぼる。
離しては重ね、重ねては離し。
何度も何度も飽きることなく。
唇の先からあふれる唾液は、
だらしなく糸を引き、陽光を浴びて七色の光をまとう。
いつしか、全身の筋肉が弛緩し、立つことさえおぼつかなっていた。
神奈に体重をかけ、ゆっくりと大地に押し倒す。
乳房を覆っていた衣がはだけ、可愛らしい突起があらわになる。
神奈の頬が紅色に染まり、恥ずかしそうに顔をそむける。
「柳也どの……これからすることは、その、なんだ……やはり痛いのか?」
「ああ」
起伏のない俺の返答に、神奈は表情を不安げに歪める。
豊満とは言えなくとも、ふくよかな膨らみを目の前にして冷静を装うのは、
普段なら、それこそ全身全霊を必要とする難儀であろう。
しかしなぜか、今は穏やかな気持ちで胸がいっぱいだった。
自分でも信じられないくらいに。
視線を宙に漂わせて思案し、神奈はささやく。
「柳也どのなら、余はどんなに痛いことでも我慢できようぞ。
だから、柳也どのに全てを任せる」
いじらしいくらいの想いに、言葉ではなく態度で応える。
右手で乳房を包み込み、再び唇を重ねた。
弾力こそないが端正な乳房は、ちょうどよい具合に手の平に収まっていた。
左手で頭を撫でながら、青い果実を優しく揉みしだく。
五本の指が円弧を描くたびに、
重ねた唇のすき間から、悲鳴のような喘ぎが漏れる。
指先に込める力を加減し、緩急をつけてもてあそぶ。
甘い吐息が耳元をくすぐる。
唇を離すと、余っていた乳房に左手を添え、同時に揉みしだく。
唇というふたを失い、神奈の喘ぎは、高らかに密林に木霊する。
未知の刺激に身をゆだねる少女の声は、妖しいまでに悩ましい。
固くなった突起を親指と人差し指で摘み上げると、
これまでになく卑猥な喘ぎが漏れた。
なぜかそのことが面白く、
何度も繰り返すうちに、紅潮していた頬が深紅を帯びた。
両手を乳房から解放すると、下腹部を覆う衣に指をかける。
神奈が怖がらないよう、
おもむろにそれを降ろすと、黒い茂みがあらわになった。
未成熟の乳房にふさわしい、浅く狭い茂みだった。
ひざの裏に手を乗せ、両足を広げると、愛液に濡れた膣が光を放っていた。
まじまじと見つめていると、
神奈が人差し指を唇にあてながら、羞恥心を言葉としてつむぎだす。
「……変ではないか?」
「なにが」
俺はあえて、意地の悪い返答を試みた。
「分かっておろう。女子に恥をかかせるな」
強がりながら、それでいて困った顔が、たまらなく可愛らしい。
その表情をもっと堪能したくて、知らぬふりを通す。
「はっきり言わなきゃ分からないぜ」
「むぅ……」
観念したのか、神奈は口をぱくぱくと動かす。
「余は、余の大切な所がどうなっているのか、
よく知らなんだ。だから、その……」
逃げ場を求めて視線を泳がす仕草が、胸を締め付けるほどに愛しい。
「かわいいぜ」
だから、そう言ってやった。
「本当か?」
愛しき人に吐く嘘など、俺は持ち合わせていない。
そのことを表情から察知したのか、神奈は安堵のため息を漏らす。
底なしの可愛さ。
俺は、右手の人差し指を膣にあてがった。
愛液をすくい上げるように、割れ目をなぞる。
神奈は再び喘ぎ、背をそらす。
膣を這う指を休むことなく上下させ、まとわりつく粘液の感触を楽しむ。
神奈の悲鳴をもっと聞きたくなったが、
乳房と違って豊かな肉感をもった膣は、
異物の侵入を拒むように、指先を弾き返す。
悔しくて、より強い力を込めると、指先はゆっくりと膣に埋まっていった。
規則正しく前後に動かすと、それに合わせて官能をくすぐる声が漏れる。
神奈の喘ぎは、次第に長く深くなってゆく。
もう、我慢の限界だった。
指を抜き、ひざを大地に立てると、
下腹部の血液を集めて膨張した陰茎を取り出す。
それを見た少女は、悲鳴とも驚きとも区別のつかない声をあげた。
「なんだ、男の宝を見るのは初めてか」
「柳也どの以外の殿方の一物など、見とうもないわ」
精一杯の強がりに含まれた、神奈の想い。
「そう滅多に見れるもんじゃないからな、この機会によく見ておくんだ」
恥じらいよりも興味が勝ったのか、
神奈はそらしていた視線を陰茎に転じた。
しかし、すぐに顔を横に向ける。
「俺だって神奈の大切な所を見せてもらってるんだ。遠慮することはないさ」
そんなにたいそうなものでもないが、
自然と言葉になるのが不思議でたまらない。
見て欲しいのだろうか?
横目でとらえ、怪訝そうに見つめる神奈。
産まれて初めて見るであろうものを、感慨を込めて観察しているようだ。
その様子がどこかおかしく、吹きだしそうになるのをぐっとこらえる。
そろそろいいだろう。
そそり立つ肉の棒を右手で掴み、濡れた膣にあてがう。
「柳也どの……」
「神奈……」
もう、言葉はいらない。
想いは交錯する視線に乗って、互いの胸に届けられる。
心臓の脈動が高鳴る。
愛しき人への想いであふれる胸は、息苦しいまでに締め付けられている。
腰を前進させ、膣を陰茎で埋めてゆく。
押し寄せる肉のうねりが、
無言の抵抗を図るように陰茎を押し戻そうとする。
渾身の力を込めて押し込んでゆくと、
あるところで膜を突き破ったような感触があった。
同時に、神奈が悲鳴を上げた。
苦悶の表情を浮かべ、大地に指を突き立てる。
破瓜の苦痛に耐えているのだろう。
陰茎を根元まで埋めたところで、
上半身を折り、喘ぎながら悶える神奈に口付ける。
土に汚れた白い指が背中に回され、身体を重ねる俺を抱き寄せる。
前髪を撫でながら、神奈が落ち着くのを待つ。
しばらくして、乱れていた神奈の息遣いが整い始めた。
口元を耳に寄せ、ささやく。
「神奈、大丈夫か」
「うむ……今のところはな……これで終わりなのか?」
「これからが本番」
「そうか……乱暴にしたら承知せぬぞ……」
この期に及んで憎まれ口を叩く神奈。
しかし今は、彼女のありとあらゆる仕草が、
胸の奥にまで染み渡るほど可愛らしい。
もう一度だけ唇を重ね、上半身を起こす。
「はようせい……恥ずかしいではないか……」
「いくぞ、神奈」
神奈の抗議に応えるように、俺は腰を引き、その勢いで前進させた。
成熟の過程にある乳房が、激しく上下に揺れた。
大きく開かれた唇の奥から悶絶が漏れる。
手の平は、今にも引き抜かんばかりの力で草を握り締めている。
陰茎を包み込む肉の感触は、
摩擦とあいまって、天にも昇るような快楽の波を誘う。
腰の反復運動を続けるたびに、全身の血液が陰茎に流れ込むようだ。
やはり初めての経験は苦痛でしかないのか、
膣を貫く異物に身をよじらせる神奈の表情は、悶絶を保ったままだ。
少しだけ申し訳ない気持ちになるが、
押し寄せる快楽にあらがうことは出来ない。
雄としての本能が頭をもたげ、理性は徐々に失われてゆく。
膣の肉感と喘ぎ、揺れる乳房が、射精感をいやおうなしに高めてゆく。
腰の反復運動は、恍惚を求めて力強さを増していた。
精液と陰茎のこすれ合う卑猥な音が喘ぎと重なり、
かろうじて保たれていた意識を吹き飛ばした。
光が弾けた。
次に意識を取り戻したとき、
陰茎は激しく脈打ちながら、白濁の欲望を吐き出していた。
精子が膣に打ち込まれるたびに、それまでの快楽は消え去り、
かわって言い知れぬ喪失感が全身を満たしてゆく。
もうろうとした意識の中、
呼吸を荒げながら頬を上気させる神奈に、かるく接吻をした。
陰茎を引き抜くと、神奈の側に倒れこみ、互いの吐息を子守唄に眠りについた。
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